1.フィヨルドとリアス海岸の違い
フィヨルドとリアス海岸はどちらも沈水海岸とよばれる海岸です。
■沈水海岸
海岸付近の陸地が沈降したり、海面が上昇したりすることで、海水が陸地に入り込んでできた地形。
沈水海岸に分類される主な地形は次の3つ。
・フィヨルド
・リアス海岸
・エスチュアリー(三角江)
これらは、すべて何らかの地形が水に沈んでできた海岸なので、もともとどんな地形だったのかを考えていけば違いがわかってきます。
でき方にも注目しながら、それぞれの地形について詳しく見ていきましょう。
2.フィヨルド
フィヨルドのでき方と特徴
フィヨルドとは氷河の浸食によってできたU字谷に海水が入り込んでできた入江です。
つまり、もともとはU字谷たっだのです。

U字谷は、重い氷河によって谷底が丸くU字のように削れることによってできます。
ここに海水が入り込んでできるのがフィヨルドです。
図からもわかるように、フィヨルドの海底は水深が深いところでも比較的幅が広く、急な崖が現れることもあります。
さらに、もともと幅の広いU字谷だったので、陸地に深く入り込んでいるという特徴もあります。
・水深が深いところでも幅が広い
・断崖絶壁
・陸地に深く入り込んでいる
フィヨルドができる場所
有名なフィヨルドをおさえておきましょう。
フィヨルドはもともと氷河の影響を受けたU字谷だったということは、氷河が発達していた場所にあるわけです。
つまり、高緯度にあることが予想できますね。
それに加えて、偏西風が直接あたる場所がポイントになってきます。
これは偏西風によって海からの湿った空気が陸地に運ばれてくるため、大量に雪を降らせることができるからです。
・アイスランド
・ノルウェー ~ デンマーク
・カナダ北東部 ~ グリーンランド
・ニュージーランド南西部
・チリ・アルゼンチン南部
3.リアス海岸
リアス海岸のでき方と特徴
リアス海岸とは、河川の浸食によってできたV字谷に海水が入り込んでできた入江です。
つまりフィヨルドとの違いは、氷河によって浸食されたか、河川によって浸食されたか、ということになります。

V字谷がよくみられる山地に海水が侵入すると、リアス海岸ができあがります。
谷のように侵食されて低くなった場所は海の底に沈み、標高が高い山の尾根は海の上に顔を出します。
なので、水深が深く、複雑な海岸線が現れるのです。
・水深が深い
・複雑で入り組んだ海岸線
フィヨルドができる場所
リアス海岸はフィヨルドと違って、高緯度に分布するというような分布の基準は特にありません。
しかしV字谷ができる場所ということは、急な川で流れが速くないといけないですよね。
まさに、この条件にあてはまるのが日本の川です。
なので日本にはリアス海岸が多くあります。
・三陸海岸(岩手県)
・志摩半島(三重県)
・リアスバハス海岸(スペイン西岸)
・サンフランシスコ湾
・シドニー
ちなみにリアスバハス海岸は、リアス海岸の名前の由来となった海岸です。
4.まとめ
▼沈水海岸
・海水が陸地に入り込んでできた海岸地形。
・原因は、海岸付近の陸地が沈降したり、海面が上昇したり。
・フィヨルドもリアス海岸も沈水海岸の一種。
▼フィヨルド ← U字谷(氷河)
・氷河が発達していたところ(高緯度)にできる。
・水深が深いところでも幅が広い。
・陸地に深く入り込んでいる。
例)ノルウェー、南米の南端、ニュージーランドの南西部
▼リアス海岸 ← V字谷(河川)
・山がちで川が急なところにできる。
・入り組んだ海岸線。
例)三陸海岸、志摩半島、リアスバハス海岸(スペイン)
次回は「砂漠と砂丘と砂浜」です!
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