1.寒流と暖流の違い
海流は寒流と暖流に分けられますが、この違いはどこにあるのでしょう?
寒流と暖流の区別は、水温が何℃以下とか何℃以上とかいうような、水温で決まっているわけではありません。
寒流は、高緯度から低緯度へ向かって流れ、まわりの海域より水温の低い水を運んでくる海流です。
暖流は、低緯度から高緯度へ向かって流れ、まわりの海域より水温の高い水を運んでくる海流です。
▼寒流
・まわりの海域より冷たい水を運んでくる海流。
・親潮(千島海流)やリマン海流など。
▼暖流
・まわりの海域よりあたたかい水を運んでくる海流。
・黒潮(日本海流)や対馬海流など。
2.寒流の具体例

日本近海には千島海流(親潮)が流れています。
北海道や東北地方の太平洋側に影響を与え、夏でも冷涼な気候をもたらします。
千島海流は、北方の水温の低い海域の水を運んできます。
このような海水は低温で蒸発が少ないため、塩分が少なく栄養分が豊富です。
そのため魚のエサとなるプランクトンが多く含まれています。
このことから、魚を育てる海流という意味で親潮と呼ばれているのです。
世界的には、南アメリカ大陸の太平洋岸を赤道へ向かって流れるペルー海流が有名です。
この寒流もやはりプランクトンが多く、世界的な漁場になっています。
3.暖流の具体例
日本近海には南から太平洋岸を日本海流(黒潮)が北上し、その分流である対馬海流が日本海を北上しています。
それぞれ沿岸の気候に影響を与えますが、特に黒潮の流れる太平洋沿岸部は冬でも温暖な気候になっています。
日本海流(黒潮)は千島海流(親潮)と比べると、塩分が多くて栄養分が少ないためプランクトンはあまり含まれていません。
しかしその分、透明度が高いという特徴があります。
この日本海流と同じ性格を持つのが、アメリカの大西洋岸を流れるメキシコ湾流です。
このメキシコ湾流の延長である北大西洋海流は、ヨーロッパの沿岸を北上します。
そして偏西風とともに、西ヨーロッパに冬でも温暖な西岸海洋性気候をもたらしています。
4.寒流と暖流がぶつかる潮目

異なる性質の海流がぶつかるところを潮目といいます。
特に寒流と暖流がぶつかる潮目は、寒海性の魚と暖海性の魚の両方が集まるので多くの種類の魚が取れる好漁場となっています。
具体的には、
寒流の千島海流(親潮)と暖流の日本海流(黒潮)がぶつかる三陸海岸の沖合
寒流のラブラドル海流と暖流のメキシコ湾流がぶつかるカナダのニューファランド島沖合
などがあげられます。
この2つはともに世界的な漁場として知られています。
4.まとめ
最後に寒流と暖流の違いをもう一度整理しておきましょう。
寒流は、高緯度から低緯度へ向かって流れ、まわりの海域より冷たい水を運んでくる海流。
塩分が少ないため、プランクトンが多く含まれています。
暖流は、低緯度から高緯度へ向かって流れ、まわりの海域よりあたたかい水を運んでくる海流。
プランクトンが少ないため、透明度が高くなっています。
次回は「フィヨルドとリアス海岸」です!
詳しく「札幌自学塾」を知りたい方は、ホームページを参照してください! こちらをクリック>>
無料体験・申し込みは、「お問い合わせ欄」からメールしてください! こちらをクリック>>