1.中部地方の自然
地形
中部地方には日本でもっとも高い山、富士山があります。
そのほかにも、3000m級の山が連なった日本アルプス
・飛騨山脈(北アルプス)
・木曽山脈(中央アルプス)
・赤石山脈(南アルプス)
の3つの山脈が南北に並んで分布しています。

これらの山脈や周辺の山々の間には、長野盆地、松本盆地、諏訪盆地、甲府盆地など多くの盆地が形成されています。
また、これらの山脈から流れ出る河川が下流に平野をつくっており、日本海側には越後平野や富山平野、太平洋側には濃尾平野があります。
越後平野は日本一長い川である信濃川の下流にあります。

気候
中部地方の気候について、北陸、中央高地、東海の3つの地域に分けて見ていきましょう。

▼北陸地方
【特徴】
・冬に雪が多く降る
・降水量が非常に多い
日本海に面している北陸地方の気候は、冬の北西季節風と日本海の湿った空気の影響を大きく受けます。
特に新潟県の山間部は、豪雪地帯として有名です。
▼中央高地
【特徴】
・気温の年較差が大きい
・降水量が少ない
長野県を中心とした内陸部の中央高地は、内陸性気候ということで夏は高温、冬は冷え込むという特色があります。
内陸部ですので湿った空気の影響を受けにくく、降水量が少なくなります。
▼東海地方
【特徴】
・冬でも温暖
・夏を中心に降水量が多い
太平洋側の東海地方は、梅雨や夏の南東季節風の影響で夏を中心に降水量の多い地域です。
また沖合を黒潮(日本海流)が流れるため、冬でも暖かいという特徴があります。
2.中部地方の農業
▼北陸地方
【特徴】
・夏に米の栽培
北陸地方は、冬の積雪の影響で作物の栽培が難しい地域になっています。
ですので農業では、夏の米の栽培に力を注いでいます。
このように夏に米の栽培だけを行う地域を「水田単作地帯」と呼びます。
新潟県にある越後平野もこの水田単作地帯です。新潟県は米の生産高の日本一を争う米どころとして知られています。
▼中央高地
【特徴】
・夏に高原野菜を栽培
中央高地は夏でも涼しいという気候の特色を生かして、レタスなどの、本来は春や秋の気温が適している野菜を夏に栽培しています。
これらの野菜は、長野県の山麓地帯にある高原で栽培されていることから高原野菜と呼ばれています。
長野県はレタスの生産が日本一で、東京などで夏に出回るレタスのほとんどは長野県産です。
さらに山梨県はブドウの生産が日本一で、主に甲府盆地の扇状地の地形を利用して栽培されています。
▼東海地方
【特徴】
・静岡県で茶の栽培
・愛知県で園芸農業
温暖な気候と水はけのよい土地という特色を生かして、静岡県の台地では茶の栽培がさかんに行われています。
中でも有名なのが牧ノ原台地で、静岡県は茶の生産が日本一です。
また愛知県では園芸農業がさかんです。
温暖な気候ため、温室などの施設を使わない露地栽培が可能です。
さらに愛知県の渥美半島は、電照菊の栽培で有名です。
これは温室の中で電灯の光を当てて開花時期を調整することで、年中出荷することができるという栽培方法になっています。
3.中部地方の工業
中部地方の工業の中心は東海地方です。
その中でも日本最大の工業地帯となっているのが中京工業地帯です。
愛知県の豊田は自動車工業の町として有名ですが、自動車の組み立てには多くの部品がいるため、周辺の都市も含めて関連工場も多く分布しています。
車体などには鉄が利用されるため、鉄鋼業も同じく愛知県の東海に発達しています。愛知県は県別の工業生産では日本一です。
静岡県には東海工業地域が形成されています。
西部には楽器やオートバイの生産で知られる浜松、東部にはパルプ・製糸業が発達した富士などの工業都市があります。

中央高地の諏訪盆地では、戦前まで製糸業が発達していました。
製糸業のあとには、空気がきれいという中央高地の利点もあって、精密機械工業が発達しました。
そして現在では、高速道路沿いを中心に電気機械工業も発達しています。
4.中部地方のまとめ
▼自然
・日本アルプスは飛騨山脈(北アルプス)・木曽山脈(中央アルプス)・赤石山脈(南アルプス)の3つ。
・山々の間には、長野盆地、松本盆地、諏訪盆地、甲府盆地。
・日本海側に越後平野・富山平野、太平洋側に濃尾平野。
・北陸地方は冬に降雪が多い。
・中央高地は年降水量が少なく、気温の年較差が大きい。
・東海地方は夏に降水量が多く、冬も温暖。
▼農業
・北陸地方は水田単作地帯で、新潟県は「米どころ」。
・中央高地の高原野菜。長野県はレタスが日本一で夏に出荷。
・山梨県はブドウが日本一で、産地は甲府盆地。
・静岡県は茶が日本一で、産地は牧ノ原台地。
・愛知県は園芸農業が盛んで、キャベツや電照菊が有名。
▼工業
・中京工業地帯は日本最大の工業地帯。
・愛知県は日本一の工業生産(豊田の自動車、東海の鉄鋼)
・静岡県には東海工業地域(楽器・オートバイの浜松、パルプ・製紙の富士)
・諏訪盆地はかつての製糸業から精密機械工業に変化。
・中央高地の高速道路沿いに、現在は電気機械工業。
次回は「中部地方」です!
詳しく「札幌自学塾」を知りたい方は、ホームページを参照してください! こちらをクリック>>
無料体験・申し込みは、「お問い合わせ欄」からメールしてください! こちらをクリック>>