成績アップの秘訣~基礎と実践のバランス「中学社会#5~関東地方~」 勉強が好きになる小中高生向け学習塾「札幌自学塾」

 

 

 

 

 

前回 東北地方

 

 

 

1.関東地方の自然

 

地形

関東地方の周辺部には越後山脈関東山地、そしていくつかの火山が分布しています。

 

そして中央部から東や南に向かって、日本一広い平野である関東平野が開けています。

 

 

ただ関東平野は全体が海抜の低い低地というわけではないので注意が必要です。

 

実は海抜20m~50mくらいの台地が多く分布しています。

 

これらの台地はどのようにしてできたのかというと、氷河時代の更新世(洪積世)という時代に形成された三角州などの地形が、のちに隆起して現在の台地状になったと言われています。

 

茨城県の常陸台地、千葉県の下総台地、東京都から埼玉県にかけての武蔵野台地などがその例です。

 

 

また太平洋岸には千葉県の九十九里浜のように、砂浜の多い単調な海岸沿いの平野も見られます。

 

 

このように、関東平野は台地の部分と低地の部分に分かれているということに注意しましょう。

 

 

 

 

気候

関東地方の気候は、北部の内陸部と南部の海岸沿いではかなり差があります。

 

 

▼北部

 

冬の北西季節風は、北陸地方に雪を降らせたあと、山を越えて乾いた風として吹き降ろします。

 

そのため、北関東の冬

 

風が強い

 

晴天の日が多い

 

降水量が少ない

 

という特徴があります。

 

北関東ではこのような風を空っ風(からっ風)とよんでいます。

 

 

また内陸性の気候の特徴として、気温の年較差が大きいという特色もあります。

 

 

 

▼南部

 

一方、南部の太平洋側は

 

全体的に降水量が多い

 

冬でも温暖

 

という特徴があります。

 

冬でも暖かいのは、黒潮(日本海流)の影響です。

 

 


 

 

東京周辺の気候は、この北部と南部の中間といった感じになりますが、ここでひとつおさえておきたいことがあります。

 

それはヒートアイランド現象とよばれる、都市中心部特有の現象です。

 

  

■ヒートアイランド現象 

都市の気温が、周囲よりも高くなる現象のこと。

  

  

大都市の中心部は高層ビルや商業施設が建ち並び、緑や土の部分が少なくアスファルトの面積が多くなっています。

 

それに加えて、自動車やエアコンから出る排熱の影響もあり、気温が上昇しやすいのです。

 

 

気温の分布図を描くと、高温域が都市を中心に島のような形状に分布することから、「熱の島」すなわち「ヒートアイランド」とよばれるようになりました。

 

 

 

 

2.関東地方の農業

地形のところでも紹介しましたが、関東平野は広いけれど台地のところが多いという特徴がありました。

 

そのため、水がしみ込みやすく水田には向いていないので、畑が多くなっています

 

畑では、多くの種類の野菜や果物、花を一年中栽培する園芸農業が行われています。

 

 

もうひとつ、関東地方で園芸農業が発達した理由があります。

 

それは、東京大都市圏は非常に人口が多いので、需要も多いということです。

 

このように都市周辺部で行われる園芸農業は近郊農業とよばれています。

 

 

東京の周辺県では、いろいろな種類の野菜が栽培され「関東は野菜の博物館」とまで言われています。

 

なかでも茨城県のハクサイは全国有数の生産を上げています。

 

また群馬県の山岳地帯の高原では高冷地野菜が栽培され、キャベツの生産が多くなっています。

 

 

 

 

3.関東地方の工業

関東地方の工業の中心は、東京、川崎、横浜と並ぶ東京湾岸沿いの京浜工業地帯です。

 

 

 

 

京浜工業地帯には、埋め立て地を中心に数多くの工場が建ち並んでいます。

 

横浜では機械や自動車工業が発達し、川崎はそれらに加えて鉄鋼、石油化学のコンビナートもあるという、日本有数の工業都市になっています。

 

  

※コンビナートとは

効率的な工業生産を行うために、石油精製や化学合成などの事業所をひとつの企業として、ひとつの地域に集めたもの。

  

 

また東京は人口が多く、情報の中心地でもあることから、印刷・出版業がさかんです。

 

 

 

同じく東京湾岸沿いの千葉県側にも、市原の石油化学を中心とした鉄鋼のコンビナートがあり、京葉工業地域とよばれています。

 

鉄鋼や石油化学のコンビナートは、茨城県の鹿島臨海地域にもつくられました。

 

さらに砂浜の海岸地帯には、掘り込み式の人工港も建設されました。

 

 

※工業地帯と工業地域の違い

 

「工業地帯」と「工業地域」には明確な違いが定義されているわけではありませんが、一般的には

 

戦前から高度経済成長期までに形成されたのが「工業地帯」

 

高度経済成長期以降に形成されたものを「工業地域」

 

と呼んでいます。

  

 

 

一方、電子部品や関連の電気機械工業、自動車工業などの先端技術産業も発達していきました。

 

そのためさらなる工業用地が必要となっていったのです。

 

しかし、すでに工業地帯が発達していた東京湾岸沿いには用地がありませんでした。

 

そこで企業は、関東の内陸部へ進出して工場を建設したのです。

 

群馬や栃木、茨城各県の南部がそれらの地域に該当し、北関東工業地域とよばれています。

 

かつて、これらの地域は養蚕業とともに絹織物業がさかんであった場所でもあります。

 

高速道路沿いには自動車や電気機械などの工場が多く建設され、組み立て工場では外国人の労働者も多く働いています。

 

 

 

 

 

4.関東地方のまとめ

 

▼自然

 

・周辺部に越後山脈関東山地

 

・日本一広い関東平野は台地の部分が多い。

 

・下総台地や武蔵野台地に利根川などの河川が刻み込んだ低地。

 

・九十九里浜は砂浜の多い単調な海岸平野。

 

・北関東は冬に空っ風が吹き乾燥する気候。

 

・関東南部は降水量が多く、太平洋岸は黒潮の影響で冬でも温暖。

 

・東京など大都市中心部ではヒートアイランド現象

 

 

 

▼農業

 

・関東地方の農業は園芸農業中心。

 

・東京大都市圏の近郊農業地帯は「野菜の博物館」。

 

・群馬県山岳地帯の高冷地野菜。

 

 

 

▼工業

 

京浜工業地帯の中心部は東京・川崎・横浜で、川崎は日本有数のコンビナート工業都市。

 

・東京は情報の中心地でもあり、印刷・出版業がさかん。

 

・石油化学コンビナートの市原は京葉工業地域の中心。

 

・茨城県鹿島臨海のコンビナートには掘り込み式人工港。

 

北関東工業地域である群馬・栃木・茨城県の南部では、高速道路沿いに自動車、電気機械工業が発達。

 

 

 

 

 

次回は「中部地方」です!

 

 

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