1.気体が発生する実験の計算問題
例題1
うすい塩酸1000mlが入ったビーカーにマグネシウムリボンを加えていった。
このとき発生した水素の体積を調べると↓のようなグラフになった。
(1)塩酸500mlと過不足なく反応するマグネシウムは何gか。
(2)(1)のとき発生する水素は何mlか。
【解答】
(1)塩酸500mlと過不足なく反応するマグネシウムは何gか。
この手の問題でまずすべきことは、過不足なく反応するときの比を求めることです。
グラフを見てみましょう。
塩酸とマグネシウムが過不足なく反応するのは、ちょうどグラフが折れ曲がっているところになります。↓
問題文より塩酸は1000mlですので、過不足なく反応するときの比は
マグネシウム:塩酸:水素 = 0.8g:1000ml:200ml
とわかります。
比さえわかればあとは簡単です。
求めるマグネシウムをx(g)として
0.8g:1000ml = x(g):500ml
x=0.4g
よって正解は0.4gとなります。
(2)(1)のとき発生する水素は何mlか。
先ほどと同様に比を利用して計算していきます。
求める水素をy(ml)として
1000ml:200ml = 500ml:y(ml)
y=100ml
よって正解は100mlです。
2.過不足のある計算問題
例題2
先ほどの実験で用いた塩酸2000mlとマグネシウムリボン1.2gを反応させた。
(1)このとき発生する水素は何mlか。
(2)このとき塩酸とマグネシウムのどちらがどれだけ反応せずにあまるか。
【解答】
例題1より塩酸とマグネシウムが過不足なく反応するときの比は
マグネシウム:塩酸:水素 = 0.8g:1000ml:200ml
とわかっています。
いま問題ではマグネシウム1.2gと塩酸2000mlを反応させました。
上の比をもとに考えると、マグネシウムは1.5倍、塩酸は2倍になっています。↓
これではマグネシウムはすべて反応しますが、塩酸は一部があまってしまいますね。
このようにどちらかがあまってしまうような反応では、すべて反応する方に合わせて計算しましょう。
今回の場合は、マグネシウムに合わせて、塩酸・水素もそれぞれ1.5倍にします。↓
よって(1)の答えは「300mlの水素が発生 」となります。
続いて(2)
「このとき塩酸とマグネシウムのどちらがどれだけ反応せずにあまるか」
実験に使った塩酸は2000mlです。しかし実際に反応した塩酸は1500ml。
よって正解は「塩酸が500ml反応せずにあまる」となります。
どちらかがあまる、不足する問題(過不足の問題)では・・・
・過不足なく反応するときの比を求めておく。
・それぞれの物質が、もととなる比の何倍あるかチェック。
・そのうち小さい方の倍率を使って計算する。
次回は「気体反応の法則」です!
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