成績アップの秘訣~基礎と実践のバランス「中学理科#160~質量比~」 勉強が好きになる小中高生向け学習塾「札幌自学塾」

 

1.質量比を考える

原子1個あたりには質量があり、もちろん現実に測定されています。

 

同じ種類の原子は同じ質量を持ち、その種類ごとに質量は異なります。

 

たとえば炭素原子の質量は、1.9944235 × 10⁻²³ (g) です。(とっても軽い)

 

 

こんな数字を使っていては計算がやりにくいので、原子1個の質量比を利用します。

 

 

例1)水素の燃焼

「水素が燃焼して水になる」という反応について見てみましょう。

 

 

水素原子・酸素原子の1個あたりの質量比は

 

水素原子:酸素原子=1:16

 

 

です。

 

 

これを利用すれば、どのような比で物質が反応するかもわかります。

 

 

 

 

まず水素の燃焼を化学反応式で書くと

 

2H₂ + O₂ → 2H₂O

 

 

となります。

 

 

これをモデル図に書きかえましょう。↓

 

 

 

ここで先ほどの比水素原子:酸素原子=1:16」を利用して、

 

水素原子1個を1g・酸素原子1個を16g

 

と仮に考えます。

 

 

これをモデル図に書き込みましょう。↓

 

 

 

この質量を物質ごとに足してみます。

 

 

たとえば水素分子H₂は

 

H₂・・・H + H = 1g + 1g = 2g

 

と表せます。

 

 

ほかの物質も同様に計算すると↓のようになります。

 

 

 

よって

 

2H₂:O₂:2H₂O = 4:32:36 

 

の比で反応することになります。

 

 

このとき、質量保存の法則も成り立っていることを確認しておきましょう。

 

 

▼質量保存の法則

 

化学変化の前後で質量の総和は変わらない。

 

 

 

 

 

例2)酸化銅の水素による還元

今度は「酸化銅を水素によって還元する」反応について見ていきましょう。

 

 

まずこの反応を化学反応式で書くと

 

CuO + H₂ → Cu + H₂O

 

となります。

 

 

ここで質量比ですが、それぞれの原子の1個あたりの質量比は

 

銅原子:酸素原子:炭素原子:水素原子 = 64:16:12:1

 

です。

 

 

 

これをモデル図に書きかえましょう。↓

 

 

 

 

次に先ほどの比を利用して

 

銅原子1個を64g・酸素原子1個を16g・炭素原子1個を12g・水素原子1個を1g

 

と仮に考えます。

 

 

これをモデル図に書き込みましょう。↓

 

 

 

この質量を物質ごとに足してみます。↓

 

 

 

よって

 

CuO:H₂:Cu:H₂O = 80:2:64:18 

 

の比で反応することになります。

 

(質量保存の法則が成り立っていることも確認しておきましょう。)

 

 

 

 

このように比が求まれば計算ができるようになります。

 

 

 

たとえば

 

「28gの酸化銅を還元するのに必要な水素は?」

 

と聞かれても、

 

求める水素をx(g)として

 

  80:2 = 28:x

 

  x = 0.7

 

となり0.7gと求めることができます。

 

 

 

 

 

- POINT -

 

原子1個の質量比を利用すれば、化学変化における反応の質量比も分かる。

 

①化学反応式を書く。

 

②モデル図になおす。

 

③モデル1つ1つに原子1個の質量を書き込む。

 

→反応する物質の質量を求めていく。

 

 

 

 

次回は「気体の発生」です!

 

 

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