成績アップの秘訣~基礎と実践のバランス「中学理科#152~溶解度の計算問題~」 勉強が好きになる小中高生向け学習塾「札幌自学塾」

 

 

 

 

 

前回 溶解度

 

 

 

 

1.溶解度の計算問題

溶解度に関する計算問題はバリエーションが豊富です。

 

ここでは最低限覚えておくべき解法を紹介します。

 

 

以下の例題ではすべて溶質をXという物質であるとし、各温度における水100gに溶ける量(溶解度)が↓の表のようになっているとします。

 

温度(℃)

0

20

40

60

80

100

溶解度(g

2.7

5.0

8.7

14.8

23.6

40.3

   

 

 

例題1

40℃の水にXを溶けるだけ溶かし、飽和水溶液をつくった。質量パーセント濃度はいくらか。

小数第2位を四捨五入して答えよ。

 

温度(℃)

0

20

40

60

80

100

溶解度(g

2.7

5.0

8.7

14.8

23.6

40.3

   

 


 

 

【解答】

 

 

水の量が指定されていません。

 

じゃあ求められないのか? というとそうではありません。

 

 

求めるのは飽和水溶液の濃度です。

 

同じ物質、同じ温度であるなら、飽和水溶液の量が変化しても、濃度は常に一定です

 

 

ここではとりあえず、水の量を100gと仮定して解きましょう。

 

 

ちなみに質量パーセント濃度は以下の式で求められます。

 

 

▼質量パーセント濃度を求める公式

 

  質量パーセント濃度=溶質(g)÷ 水溶液全体(g)× 100

 

  

 

 

40℃の水100gには物質Xが8.7gとけるので

 

 

  8.7g ÷(100g+8.7g)× 100 = 8.00・・・= 8%

 

 

 

よって正解は8%です。

 

 

 

 

例題2

80℃の水にXを溶けるだけ溶かし、飽和水溶液を260gつくった。

この飽和水溶液から水を20g蒸発させると、結晶として現れるXは何gか。

 

温度(℃)

0

20

40

60

80

100

溶解度(g

2.7

5.0

8.7

14.8

23.6

40.3

   

 


 

 

【解答】

 

 

蒸発させた水20gに溶けていたXが結晶として現れます。

 

すなわち、(蒸発させる)20gの水に溶けるXの量を求めればよいのです。

 

 

現れる結晶の質量をx(g)とすると

 

 

  100g:23.6g=20g:x(g)

 

(「飽和水溶液の量:溶けているXの量」という比例式)

 

 

これを解いてx=4.72

 

よって正解は4.72gです。 

 

 

 

 

例題3

100℃の水にXを溶けるだけ溶かし、飽和水溶液を140.3gつくった。

 

(1)この中に溶けているXは何gか。

 

(2)この水溶液の温度を40℃まで下げたとき、生じる結晶は何gか。

 

温度(℃)

0

20

40

60

80

100

溶解度(g

2.7

5.0

8.7

14.8

23.6

40.3

   

 


 

 

【解答】

 

 

(1)

 

まず状況を整理しましょう。

 

 

いま水の量がわかりませんが、表より

 

100℃の水100gにXは40.3gまで溶ける

 

ことがわかります。

 

 

よって飽和水溶液140.3gには、Xは40.3g溶けていることがわかります。

 

 

 

 

(2)

 

(1)より、今の水の量は100gです。

 

表より

 

40℃の水100gにXは8.7gまで溶ける

 

ことがわかります。

 

 

 

もともと溶けていたXは40.3gなので、生じる結晶は

 

 

  40.3g-8.7g=31.6g

 

 

となります。

 

よって正解は31.6gです。

 

 

このことから、求める値をa(g)とすると

 

 

 

 

例題4

20℃の水にXを溶けるだけ溶かし、飽和水溶液を315gつくった。

 

(1)この中に溶けているXは何gか。

 

(2)この水溶液の温度を0℃まで下げたとき、生じる結晶は何gか。

 

温度(℃)

0

20

40

60

80

100

溶解度(g

2.7

5.0

8.7

14.8

23.6

40.3

   

 


 

 

【解答】

 

 

(1)

  

いま水の量がわかりませんが、表より

 

20℃の水100gにXは5.0gまで溶ける

 

ことがわかります。

 

 

つまり飽和水溶液105gには、Xが5g溶けているということです。

 

 

では飽和水溶液315gに溶けているXの量をy(g)とすると

 

 

  105g:5g=315g:y(g)

 

(「飽和水溶液の量:溶けているXの量」という比例式)

 

 

これを解いてy=15

 

よって正解は15gです。 

 

 

 

 

 

(2)

 

(1)より、今の水の量は

 

 

  315g-15g=300g

 

 

であることがわかります。

 

 

 

表より

 

0℃の水100gにXは2.7gまで溶ける

 

ことがわかります。

 

 

よって

 

0℃の水300gにXは 2.7g×3=8.1g まで溶ける

 

ことがわかります。

 

 

 

したがって生じる結晶は

 

 

  15g-8.1g=6.9g

 

 

 

となり、正解は6.9gです。

 

 

 

 

例題5

60℃の水にXを溶けるだけ溶かし、飽和水溶液を100gつくった。

 

この水溶液の温度を20℃まで下げたとき、生じる結晶は何gか。

 

小数第2位を四捨五入して答えよ。

 

温度(℃)

0

20

40

60

80

100

溶解度(g

2.7

5.0

8.7

14.8

23.6

40.3

   

 


 

 

【解答】

 

 

まず表より

 

60℃の水100gにXは14.8gまで溶ける

 

20℃の水100gにXは5.0gまで溶ける

 

ことがわかります。

 

 

ここから60℃の飽和水溶液114.8gを20℃まで下げると

 

 

  14.8g-5.0g=9.8g

 

 

の結晶が生じることがわかります。

 

 

 

つまり

 

60℃の飽和水溶液114.8g

 

→20℃まで下げると9.8gの結晶

 

ということです。 

 

 

いま問題では

 

60℃の飽和水溶液100g

 

→20℃まで下げるとgの結晶

 

を考えさせていますね。

 

 

 

ここでz(g)の結晶が現れるとすると

 

 

  114.8g:9.8g=100g:z(g)

 

(「飽和水溶液の量:結晶の量」という比例式)

 

 

という式が立てられます。

 

 

これを解いて

 

 

  z=8.53・・・

 

  z≒8.5g

 

 

よって正解は8.5gです。 

 

 

 

 

次回は「蒸留」です!

 

 

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