成績アップの秘訣~基礎と実践のバランス「中学理科#144~放射線~」 勉強が好きになる小中高生向け学習塾「札幌自学塾」

 

 

 

 

 

前回 はく検電器②

 

 

 

1.放射線

  

▼放射線

高速の粒子の流れ。または一部の電磁波などをまとめて放射線という。

  

 

 

主な放射線

① α(アルファ)線

 

 

ヘリウムの原子核の流れ。+の電気を帯びている。

 

 

 

② β(ベータ)線

 

 

電子の流れ。-の電気を帯びている。

 

 

 

③ 中性子線

 

 

中性子の流れ。電気を帯びていない。

 

 

 

④ γ(ガンマ)線

 

 

電磁波の一種。電気を帯びていない。

 

 

 

⑤ X線

 

 

電磁波の一種。電気を帯びていない。

 

 

 

 

▼放射性物質

放射線を出す物質。

  

 

 

▼放射能

 

放射性物質が放射線を出すことができる能力のこと。

 

単位は【 Bq(ベクレル)】

 

(※放射能の正確な意味は、物体中で1秒あたりに原子核が壊変する数のこと。)

  

 

 

放射性物質の原子核は不安定で、別の原子核に変わっていきます。

 

これを壊変(崩壊)といい、この際に放射線が出ます。

 

 

1秒あたりに原子核が壊変する数を【 Bq(ベクレル)】という単位で表し、これを放射能といいます。

 

 

 

放射性物質には

 

ウラン・・・・・・・地下に存在する。

 

放射性カリウム・・・動植物に存在する。

 

ラドン・・・・・・・空気中に存在する。

 

 などがあります。

 

 

これらは自然界に存在するので自然放射線といいます。

 

 

一方で人工の核燃料から出る放射線もあります。

 

 

 

 

2.放射線の性質と利用

 

放射線の性質 

① 目には見えない。

 

② 物質を通り抜ける(透過性)。

 

③ 物質を電離させ、イオン化する。そのため生物のDNAを損傷させてしまう。

 

 

自然放射線は、自然界では量が少ないので被害はありません。

 

しかし人工の核燃料や核廃棄物から出る放射線は量が多く、危険なので、取り扱いは厳重にしなければなりません。

 

 

 

放射線の利用 

・レントゲン検査やCT、PETといった検査。(透過性を利用)

 

・農作物の発芽の抑制や殺菌、品種改良。(物質をイオン化する性質を利用)

 

 

 

放射線の人体への影響

人工の放射線であれ、自然放射線であれ、短期間に多量に受けてしまうと人間は死んでしまいます。

 

受けた放射線量の人体に対する影響を【 Sv(シーベルト)】という単位で表します。

 

 

 

半減期

放射能は時間とともに減少します。

 

放射能が残っていた量の半分にまで減る時間を半減期といいます。

 

半減期は放射性物質によって異なります。

 

 

放射能と時間は

 

  放射能×時間=一定

 

 

となり、反比例の関係にあります。

 

 

 

- POINT -

 

・放射線とは、高速の粒子の流れ。

 

(例)電気を帯びているもの → α線・β線

 

(例)電気を帯びていないもの → γ線・中性子線・X線

 

・放射線は目に見えない、物体を通り抜ける、物質を電離させる。