成績アップの秘訣~基礎と実践のバランス「中学理科#139~抵抗比と電力・熱量~」 勉強が好きになる小中高生向け学習塾「札幌自学塾」

 

 

 

 

 

前回 熱量と温度変化

 

 

 

1.抵抗比と電力・熱量

 

▼直列回路の場合

 

  抵抗の比=電圧の比

 

 

▼並列回路の場合

 

  抵抗の逆比=電流の比

 

 

抵抗比を利用して熱量の問題を解いてみましょう。

 

 

直列回路の場合

次のように、熱を伝えにくい容器に水と電熱線を入れ、その電熱線を直列につないだ回路があります。

 

 

このとき、電熱線から発生する熱はすべて水の温度上昇のみに使われるとします。

 

 

 

この回路はR₁とR₂の直列回路です。

 

つまり抵抗の比=電圧の比です。

 

 

 

  R₁の抵抗:R₂の抵抗=4:6=2:3

 

  R₁の電圧:R₂の電圧=2:3

 

 

 

 

ここで

 

  電圧×電流=電力

 

によって電力を求められますが、

 

 

R₁とR₂に流れる電流の大きさは同じです。

 

 

つまりR₁とR₂での電力の比は、電圧の比と等しくなるはずです。

 

 

 

よって

 

  R₁の電力:R₂の電力=2:3

 

 

 

 

また熱量=電力×時間ですので

 

 

  R₁の熱量:R₂の熱量=2:3

 

 

 

です。(R₁とR₂に電流が流れる時間は同じなので)

 

 

 

したがって水の上昇温度についても

 

 

  左側の水:右側の水=2:3

 

 

 

となります。(水の量は同じなので)

 

 

 

よって直列回路の場合

 

抵抗の比=電圧の比=電力の比=熱量の比

 

となります。

 

 

 

 

並列回路の場合

次のように、熱を伝えにくい容器に水と電熱線を入れ、その電熱線を並列につないだ回路があります。

 

 

このとき、電熱線から発生する熱はすべて水の温度上昇のみに使われるとします。

 

 

 

この回路はR₁とR₂の並列回路です。

 

つまり抵抗の逆比=電流の比です。

 

 

 

  R₁の抵抗:R₂の抵抗=4:6=2:3

 

  R₁の電流:R₂の電流=3:2

 

 

 

 

ここで

 

  電圧×電流=電力

 

によって電力を求められますが、

 

 

R₁とR₂に加わる電圧の大きさは同じです。

 

 

つまりR₁とR₂での電力の比は、電流の比と等しくなるはずです。

 

 

 

よって

 

  R₁の電力:R₂の電力=3:2

 

 

 

 

また熱量=電力×時間ですので

 

 

  R₁の熱量:R₂の熱量=3:2

 

 

 

です。(R₁とR₂に電流が流れる時間は同じなので)

 

 

 

したがって水の上昇温度についても

 

 

  上側の水:下側の水=3:2

 

 

 

となります。(水の量は同じなので)

 

 

 

よって直列回路の場合

 

抵抗の逆比=電流の比=電力の比=熱量の比

 

となります。

 

 

 

- POINT -

 

・直列回路・・・抵抗の比=電圧の比=電力の比=熱量の比

 

・並列回路・・・抵抗の逆比=電流の比=電力の比=熱量の比