1.オームの法則と非オーム抵抗
▼オームの法則
ある材質において、加わる電圧と流れる電流が比例の関係にあること。
下のグラフはある抵抗R₁の電圧と電流の関係を表したものです。
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直線のグラフになっていますね。これは比例の関係を表しています。
つまり抵抗R₁はオームの法則が成り立つ物質ということです。
グラフから、A~Cの各点における抵抗値を計算してみましょう。
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より、
Aの場合は
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Bの場合は
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Cの場合は
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このように、どの場所で計算しても抵抗値は一定になります。
オームの法則が成り立つ物質は、電圧や電流の条件を変えても抵抗値は変わらないのです。
しかし、すべての物質が「オームの法則が成り立つ」わけではありません。
たとえば下のグラフはある抵抗R₂の電圧と電流の関係を表したものです。
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直線になっていないので、これは「比例」のグラフではありません。
先ほどと同じようにA~Cの各点における抵抗値を計算してみましょう。
Aの場合は
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Bの場合は
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Cの場合は
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このように抵抗値が一定ではありません。
つまりオームの法則が成り立たない物質は、抵抗値が一定ではないのです。
このような関係を示す抵抗のことを非オーム抵抗(非線形抵抗)といいます。
非オーム抵抗の特徴は電圧を大きくするほど抵抗値が大きくなるというところです。
2.非オーム抵抗の問題
例題1
ある抵抗に加わる電圧と電流は下図のような関係になっている。
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この抵抗を2つ使って次のような回路をつくった。
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電源電圧が4Vのとき、抵抗1つあたりに流れる電流は何Aか。
【解答】
同じ抵抗が2つ直列につながれているので、加わる電圧は2Vずつになります。↓
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ここで、抵抗にかかる電圧が2Vのときの電流をグラフから読み取ります。
よって正解は0.4Aとなります。
例題2
ある抵抗に加わる電圧と電流は↓のような関係になっている。
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この抵抗を2つ使って次のような回路をつくった。
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電源電圧が9Vのとき、回路全体に流れる電流は何Aか。
【解答】
この抵抗は並列につながれています。
そのため1つの抵抗に加わる電圧は9Vです。↓
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ここで、抵抗にかかる電圧が9Vのときの電流をグラフから読み取ります。
グラフより抵抗1つあたりに流れる電流は0.7Aとわかります。
よって回路全体を表すと↓のようになり
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正解は1.4Aです。