成績アップの秘訣~基礎と実践のバランス「中学理科#132~ブリッジ回路②~」 勉強が好きになる小中高生向け学習塾「札幌自学塾」

 

 

 

 

 

前回 ブリッジ回路①

 

 

 

1.ブリッジ回路

【例題】

 

下の図の回路で導線ABに流れる電流の向きと大きさを求めよ。

 

 

 

①回路を書き換える

まずは分かりやすくするために、下の図のように回路を書き換えてみます。

 

 

 

 

このときR₁~R₄に流れる電流の大きさを考えます。

 

 

②回路全体の抵抗を求める

まず左側(R₁とR₂)の部分と右側(R₃とR₄)の部分の合成抵抗をそれぞれ求めましょう。

 

 

並列につながっている部分の合成抵抗は

 

 

で求められます。

 

 

 

よって左側(R₁とR₂)の部分は

 

 

 

 

右側(R₃とR₄)の部分は

 

 

となります。↓

 

 

 

 

よって回路全体の抵抗は

 

 

となります。

 

 

 

③回路全体に流れる電流を求める

次に回路全体に流れる電流を求めましょう。

 

 

電源の電圧が28V、回路全体の抵抗が14/3Ωなので、

 

オームの法則より

 

 

となります。↓

 

 

 

 

④抵抗1つ1つに流れる電流を求める

ではR₁~R₄に流れる電流はそれぞれ何Aか求めましょう。

 

 

このとき

 

並列回路では「抵抗の逆比=電流の比」となる

 

ことを利用するとすばやく求めることができます。

 

 

 

左側(R₁とR₂)を見てみます。

 

  R₁の抵抗:R₂の抵抗=5Ω:10Ω=1:2

 

 

なので

 

  R₁の電流:R₂の電流=2:1

 

 

となります。↓

 

 

 

 

6Aが2:1に分かれて流れていくことになるので

 

 

となります。↓

 

 

 

 

右側(R₃とR₄)も同じように電流を求めましょう。

 

 

  R₃の抵抗:R₄の抵抗=2Ω:4Ω=1:2

 

 

なので

 

  R₃の電流:R₄の電流=2:1

 

 

です。

 

 

6Aが2:1に分かれて流れていくことになるので

 

 

となります。

 

 

 

以上より各抵抗に流れる電流は↓のようになっていることがわかりました。

 

 

 

 

⑤もとの回路に電流を書き戻す

先ほど求めた電流をもとの回路に書き加えます。↓

 

 

 

ここでABの部分を考えてみます。

 

 

R₁が4A、R₃も4Aです。

 

R₁に流れた電流4Aが、そのままR₃に流れたのです。

 

 

同じようにR₂が2A、R₄も2Aです。

 

R₂に流れた電流2Aが、そのままR₄に流れています。

 

 

 

つまりABの部分にはまったく電流が流れていないのです。

 

よってABの部分の電流は0Aとなります。

 

 


 

 

ここで回路の抵抗に注目すると↓のようになっていることがわかります。

 

 

 R₁×R₄=R₂×R₃

 

 

このようなとき、ABの部分には電流が流れないのです。

 

もし問題を解く前に上の式が成り立っていることに気づけば、AB部分の電流は0Aとすぐ判断できます。

 

 

また次のようにAB部分の導線を省略して考えることも可能です。

 




- POINT -

 

R₁×R₄=R₂×R₃となっているとき、AB部分に電流は流れない。