1.エネルギーの変換効率とは
たとえば、扇風機に電気エネルギーを与えたとしましょう(電源を入れる)。
すると扇風機のはねが回り出します。
これは電気エネルギーが運動エネルギーに変換されたということです。
しかし変換されたエネルギーは運動エネルギーだけではありません。
扇風機は動いているとき、音がしたリ、熱を持ったりしますよね。
つまり
扇風機が得た電気エネルギー=運動エネルギー+音などのエネルギー
となっています。
得たエネルギーは、目的ではないエネルギーにも変換されてしまうのです。
このとき「得たエネルギーのうち何%が目的のエネルギーへと変換されたか」を表す割合を変換効率といいます。
2.エネルギーの変換効率を調べる
例題
↓の図は巻き上げ機で物体を持ち上げている様子である。
巻き上げ機の電気エネルギーが物体の位置エネルギーに変わる際のエネルギー変換効率を求めよ。
【解答】
まず巻き上げ機が得た電気エネルギーを求めましょう。
※電気エネルギーを求める式↓
電気エネルギー(J)=電力(W)×時間(秒)
巻き上げ機の電圧が40V、電流が3Aであることから、
巻き上げ機の電力(W)=40V×3A=120W
よって
巻き上げ機が得た電気エネルギー(J)=120W×5秒=600J・・・①
とわかります。
一方で10kgの物体が4.5m持ち上げられていることから、
物体が得た位置エネルギー(J)=100N×4.5m=450J・・・②
①、②より、エネルギーの変換効率は
となり、よって正解は75%です。
3.電球のエネルギー変換効率
最近の電球はよくLEDが使われていますが、これはエネルギーの変換効率がいいからです。
電球の進化は、白熱電球→蛍光灯→LEDライトというように効率がよい形に変わっています。
電球は電気エネルギーを光エネルギーに変えるための道具ですが、一部は熱エネルギーにも変換されます。
白熱電球の場合、その変換効率は10%ほどで、残りの90%は熱エネルギーになってしまうのです。
一方LEDの変換効率は30%~50%ほどで、白熱電球よりも効率がいいことがわかります。
このような照明器具の場合は、変換効率がよいほど同じ電力で多くの光が発生するので、エネルギーの有効活用となります。