1.作用・反作用の法則
壁の前に立って、思いきり壁を押してみるとしましょう。
すると強い手ごたえを感じますよね。
このとき手ごたえを感じるのは、壁があなたを押し返してきているからです。
つまり
「あなたが壁を押す力」があると同時に
「壁があなたを押す力」が発生した
ということになります。
このとき一方の力を作用と呼んだ場合、もう一方の力は反作用と呼ばれます。
力が生じたときには必ずその反作用が同時に存在します。
これを作用・反作用の法則といいます。
2.力のつり合いと作用・反作用の法則
「つり合いの関係にある2力」と「作用・反作用の関係にある2力」は見分けが難しいですよね。
ではその違いを例題を通して見ていきましょう。
例題
↓の図のように天井・ばね・おもりをつないだとしましょう。
このとき↓の図の↓のように力がはたらいています。
※ただしばねの重さ・質量は考えないものとする。
この力①~力⑤のうち「つり合いの関係にある力」と「作用・反作用の関係にある力」を探します。
まずは力①~力⑤を言葉で表します。
「○○が✕✕を引く力」という風に。
この「○○」と「✕✕」は互いに接している物体の名前が入ります。
たとえば
①は「天井」と「ばね」が接しています。
ということは
「天井 が ばね を引く力」か
「ばね が 天井 を引く力」のどちらかです。
図から判断すると引っ張られているのは ばねです。
よって
「天井 が ばね を引く力」が正解です。
このように
「何と何が接しているか」に注目して、力①~力⑤を
「○○が✕✕を引く力」に当てはめてみましょう。
そうすると・・・
① 天井 が ばね を引く力
② ばね が 天井 を引く力
③ ばね が おもり を引く力
④ おもり が ばね を引く力
⑤ 地球 が おもり を引く力(重りの重力)
となります。↓
つり合いの関係にある力とは1つの物体にはたらく力どうしの関係です。
たとえばロープをA君とB君が引っ張ってつり合っているとすると
「A君がロープを引く力」と「B君がロープを引く力」
のどちらも「ロープを引く力」がつり合っていることになります。
つまり
「✕✕を引く力」の「✕✕を」の部分が同じものがつり合いの関係にあります。
一方で作用・反作用の関係は・・・
たとえばC君が壁を押したときの
「C君が壁を押す力」と「壁がC君を押す力」の2力です。
つまり作用・反作用の関係にある2力は
「ア が イ を引く(押す)力」と「イ が ア を引く(押す)力」のように
ア と イ に入る物体が反対になっている2力です。
では例題に戻ると
つり合いの関係にあるのは・・・
「✕✕を」の部分が同じ力なので
「①と④」「③と⑤」
です。
作用・反作用の関係にあるのは・・・
「ア が イ を引く力」「イ が ア を引く力」と逆になっている力なので
「①と②」「③と④」
となります。
・「力」を「○○が✕✕を引く力」と表現する。
・つり合いの関係にある力は「✕✕を引く(押す)」が同じになっている。
・作用・反作用の関係にある力は「ア が イ を引く力」「イ が ア を引く力」と逆になっている。