成績アップの秘訣~基礎と実践のバランス「中学理科#93~分力を使った力のつり合い②~」 勉強が好きになる小中高生向け学習塾「札幌自学塾」 

 

1.分力を使った力のつり合い

 

例題

糸T・ばね・6kgのおもりを使って、↓の図のようにばねを右向きに引っ張って静止させた。

このとき、ばね・糸Tに加わる力はそれぞれ何Nか。

ただし100gの物体にはたらく重力を1Nとする。

 

 

 

 

 

解法1.糸・ばねの方向に力を分解する

おもりの質量は6kgです。

 

このおもりには60Nの重力がはたらいています。

 

 

この力を↓の図のように糸Tの延長方向ばねの延長方向に分解することを考えます。

 

 

 

 

 

手順に沿って作図すると↓のようになります。

 

 

 

 

 

このときできた三角形に注目すると・・・

 

30度・60度・90度の三角形が隠れています。↓

 

 

 

 

この三角形の辺の比は

 

  1:2:√3

 

 

です。↓

 

 

 

よって

 

 

 

これを有利化すると

 

 

    ばねにはたらく分力 = 20√3(N)

 

    糸Tにはたらく分力 = 40√3(N) 

 

 

となります。↓

 

 

 

 

 

 

解法2.張力や弾性力を水平・鉛直方向に分解する

張力とは糸が物体を引く力です。

 

また弾性力とはばねが物体を引く力です。

 

 

それぞれを図示すると↓のようになります。

 

 

 

これを水平・鉛直方向に分解します。↓

(水平・・・横方向  鉛直・・・縦方向)

 

 

 

 

 

ばねが引く力は水平方向の力なので分解はできません。

 

 

糸Tが引く力を分解しましょう。↓

 

 

 

 

 

ここにも30度・60度・90度の三角形が隠れています。↓

 

 

 

 

 

糸Tが引く力をx(N)とすると

 

 

 

 

 

このとき

 

水平方向の力がそれぞれつり合い、鉛直方向の力もそれぞれつり合っているはず。

 

 

 

ここでばねが引く力をy(N)とすると・・・

 

 

 

水平方向の力のつり合いから

 

 

 

鉛直方向の力のつり合いから

 

 

 

 

②より

 

 

①より

 

 

 

よって

 

    ばねにはたらく分力 = 20√3(N)

 

    糸Tにはたらく分力 = 40√3(N) 

 

 

となります。

 

 

- POINT -

 

・分力を利用して力のつり合いの問題を解く場合

 

①糸・ばねの方向に力を分解

 

②張力や弾性力を水平・鉛直方向に分解

 

のどちらかの方法を取りましょう。

次回は「いろいろな運動」です!