成績アップの秘訣~基礎と実践のバランス「中学理科#88~力のつり合い~」 勉強が好きになる小中高生向け学習塾「札幌自学塾」 

 

1.力を図示する

物体に加わる力は「矢印」で表されました。

 

 

 

 

この中でもっとも大事なのは「作用点=力の働く場所」です。

 

作用点は物体どうしが接しているところにあります。

 

 

 

床に物体が置いてあったとき、床と物体が接しています。

 

その接している面に作用点がある(力がはたらいている)ということです。

 

 

 

ただし例外もあります。

 

 

・接していなくてもはたらく力

 

→ 重力・磁力・静電気力の3つです。

 

 

 

・特に重力を図示する場合は、その作用点は物体の真ん中に書きます。

 

→ 向きは必ず地球の中心に向かう方向、つまり下向き

 

 

 

では↓のように、天井・ばね・おもりの図を考えてみましょう。

 

 

 

 

ここで

 

① おもりにはたらく重力

 

② ばねが天井を引く力

 

③ おもりがばねを引く力

 

を作図してみます。

 

 

 

① おもりにはたらく重力

重力なので作用点はおもりの真ん中

 

そこから下向きに矢印を引きます。

 

 

 

 

 

② ばねが天井を引く力

「 ばね” が “天井” を」と書いてあるので作用点はばねと天井の接しているところです。

 

そして天井を引っ張るので下向きの矢印になります。

 

 

 

 

 

③ おもりがばねを引く力

「 おもり” が “ばね” を」を書いてあるので作用点はおもりとばねの接しているところ

 

ばねを引くので下向きの矢印になります。

 

 

 

 

 

 

2.力のつり合い

ABが↓のようにロープを使って綱引きをしているとしましょう。

 

 

 

 

 

Aがロープを引く力」「Bがロープを引く力」を書いてみると↓の図のようになります。

 

 

 

 

この2つの力の大きさが等しければロープは左右のどちらにも動きません。

 

このようなとき「2力がつり合っている」と言います。

 

 

 

言いかえると

 

2つの力が打ち消し合っている

 

→ 力がはたらいていないのと同じ状態になっている

 

 

 

 

この2力を見比べると以下の条件を満たしています。

 

 

① 力の大きさは同じ

 

② 力の向きは互いに逆向き

 

③ 力は同一直線状にある

 

 

これをつり合いの3条件と呼びます。

 

 

 

 

3.力がつり合っているときの運動の状態

物体にはたらく力がつり合っているとき、その物体の運動の状態は変化しません。

 

反対に、運動の状態が同じままならば、その物体にはたらく力はつり合っています。

 

 

 

① 静止し続けている物体

 

 

→ 物体にはたらく力はすべてつり合っている

 

 

 

② 等速直線運動をし続けている物体(=運動の状態(速さや向き)が変化しない)

 

→ 物体にはたらく力はすべてつり合っている

 

 

 

 

反対に

 

力がつり合っているとき運動の状態は変化しません

 

 

① 静止している物体は静止したまま。

 

② 等速直線運動をしている物体は等速直線運動をしたまま。

 

 

 

 

- POINT -

 

・力を矢印で作図できるように。特に作用点を正確に。

 

・力がつり合っている → 運動の状態(速さや向き)は変化しない。

次回は「力の合成」です!