1.力のはたらき
力を加えることで、次のようなことができます。
・物体の形を変える。
・物体の運動のようす(速さや向き)を変える。
・物体を支える。
2.力の三要素
力はその大きさ以外に、向きやどの場所に力を加えるか(=作用点と呼ぶ)という要素があり
ます。
この「大きさ」「向き」「作用点」を力の三要素と言います。
この三要素を表すために、力を図示する際は矢印を用います。↓
力の大きさ
力の大きさを表すとき、単位【 N(ニュートン)】を用います。
地球上では質量1kgの物体にはたらく重力は9.8Nなのですが・・・
中学校では1kgの物体にはたらく重力を10Nとして考えます。
(100gの物体では1Nの重力がはたらく)
力の作用点
力の作図で最も大切なのは作用点を正しく書けるようになること!
次の①②に分けて覚えておきましょう。
① 重力や磁力など “離れていてもはたらく力”
→ 作用点は物体の真ん中(物体の中心)に書くようにします。
② 重力や磁力以外の力
→ 作用点は物体どうしが接しているところにあります
(つまり物体どうしが接しているところには必ず力がはたらいています)
3.さまざまな力
さまざまな種類の力、そしてその力の作図方法について見ていきましょう。
重力
●重力
地球が中心に向かって引っ張ろうとする力。
・作用点・・・物体の中心
・向き・・・・下向き(地球の中心に向かう)
地球上にある物体は、必ず地球から重力という力を受けています。
重力は、地球と接していなくてもはたらく力です。
そのため作用点は物体の中心に書きます。
そこから地球の中心に向かって、すなわち下向きに矢印を書きます。
※ちなみに重力は星によって異なります。例えば月での重力は地球での重力の6分の1です。
垂直抗力
●垂直抗力
机や斜面などが物体を支える力。
・作用点・・・物体と机(床や斜面など)の接するところ
・向き・・・・接している面から垂直に上向き
机の上においてある物体には重力がはたらいています。
しかし重力しかはたらいていなければ・・・物体は机にめり込んで、落下していくはず。
そうならないのは、重力とは反対向きの力で、机が物体を支えているからです。
このように支える力を抗力(垂直抗力)といいます。
作用点は物体と机が接するところ。
その面から上向きの矢印になります。(正確には接触面に対して垂直に上向き)
弾性力
●弾性力
ばねやゴムが元の形に戻ろうとする力。
・作用点・・・おもり(または手など)とばねの接するところ
・向き・・・・伸ばされた向きとは反対、または縮まされた向きと反対
ゴムや下敷き、ばねなどを変形させても元の形に戻ります。
この元に戻ろうとする力を弾性力と言います。
ばねを手で伸ばす場合、作用点は手とばねが接するところにあります。
弾性力は元に戻ろうとする力です。
よってその向きは、伸びた方向(縮んだ方向)と反対向きになります。
摩擦力
●摩擦(まさつ)力
面から受ける、運動をさまたげる力。
・作用点・・・物体と床(または机など)の接するところ
・向き・・・・運動方向と反対向き
机の上に消しゴムを置いて指ではじくとします。
消しゴムは動きます。
が、動き続けるわけではなく、途中で止まってしまいます。
これは消しゴムの動く向きとは反対向きに力がはたらいているからです。
このように接している面からはたらく、動きをじゃまする力を摩擦力と言います。
作用点は物体と面が接するところ。
その面から運動方向と反対向きに力がはたらきます。
磁力
●磁力
磁石による力。
磁石にはN極とS極があります。
N極とN極どうし、S極とS極どうしを近づけると互いにしりぞけあう力がはたらきます。
N極とS極を近づけると引き合う力がはたらきます。
磁石に、鉄でできたクギなどを近づけても、クギを引きよせる力がはたらきます。
このような磁石によって生じる力を磁力と言います。
ここまで紹介した力以外にも浮力や静電気力、張力などさまざまな力があります。
・力は矢印で表す。
・力の作用点は・・・
→ ①物体どうしが接しているところにある。
→ ②重力の作用点は物体の真ん中にある。
次回は「力のつり合い」です!