◉気団
気温や湿度が一様な大きな空気のかたまり。
◉日本付近の気団
・南北では気温が異なります。
→北にあるものは寒気団、南にあるものは暖気団。
・東西では海があるか陸があるかによって湿度(湿り気)が異なります。
→東にあるものは湿っており、西にあるものは乾燥しています。
※近年では、揚子江気団は気団の定義である「移動しない・または移動しにくい停滞制の大規
模は気圧」を満たさないため、無いものとされています。(シベリア気団の一部が温暖化した
ものとも考えられています)
各気団の勢力が強まる(気圧が高くなる)と、大きな高気圧が生じます。
この大きな高気圧は日本の天気に影響を与えます。
どの気団がどの季節に影響を与えるのか覚えておきましょう。
・冬・・・・シベリア気団 ※日本の冬は乾燥していて寒い
・梅雨・・・小笠原気団とオホーツク海気団
・夏・・・・小笠原気団 ※日本の夏は湿度が高く蒸し暑い
・秋雨・・・小笠原気団と北日本の気団
と勢力をもつ気団が変化していきます。
シベリア気団が勢力を強め、シベリア高気圧が生じます。
シベリア高気圧は日本に乾燥して冷たい風を送ります。
これを北西の季節風(北西から吹くため)といいます。↓
この季節風によって
日本海側では雲が生じ、雨や雪などの降水量が増えます。
太平洋側は乾燥した天気となります。(フェーン現象という)
西側に高気圧ができるので東側には低気圧が生じます。
このような高気圧、低気圧の配置を西高東低の気圧配置といいます。
また冬の天気図は等圧線が南北にのびているのも大きな特徴です。
ユーラシア大陸で発達した高気圧が偏西風によって日本へ運ばれます。
この移動してくる高気圧を移動性高気圧といいます。↓
それと同時に、偏西風によって日本海で温帯低気圧が生じることがあります。
移動性高気圧と温帯低気圧が交互にやってくるので、天気は周期的に変化します。
小笠原気団が勢力を強め、太平洋高気圧が生じます。
太平洋高気圧は日本に温かく湿った風を送ります。
これを南寄りの季節風といいます。↓
太平洋上に大きな高気圧ができていることが多く、北では低気圧が生じやすいです。
このような高気圧、低気圧の配置を南高北低の気圧配置といいます。
また夏の天気図は太平洋上の高気圧とその周りの等圧線の間隔が広いのも特徴です。
梅雨は夏の前です。
この頃は小笠原気団とオホーツク海気団の勢力がつり合う頃なのです。
北にある寒気(オホーツク海気団)と南にある暖気(小笠原気団)が同じ勢いでぶつかり合
い、日本を横切るような停滞前線が発生します。↓
梅雨の時期の停滞前線を梅雨前線といいます。
※秋雨前線は・・・
秋雨前線もでき方は梅雨前線とよく似ていますが、時期によって
・小笠原気団とオホーツク海気団のぶつかり合い
・小笠原気団とシベリア気団のぶつかり合い
と変化し、小笠原気団とぶつかる相手ははっきりしません。
▼冬の天気
・シベリア気団が発達
・北西の季節風
・西高東低の気圧配置
・南北にのびる等圧線が目印
▼春・秋の天気
・移動性高気圧がやってくる
・天気は周期的に変化
▼夏の天気
・小笠原気団が発達
・南寄りの季節風
・南高北低の気圧配置
・太平洋上の高気圧とその付近の間隔が広い等圧線が目印
▼梅雨・秋雨の天気
・停滞前線がある
各季節の天気を見分ける際は次のように考えましょう。
①梅雨前線
・・・ YES → 梅雨 NO → ②へ
②日本の北側で南北に等圧線がのびている
・・・ YES → 冬 NO → ③へ
③太平洋上に高気圧と付近に間隔の広い等圧線がある
・・・ YES → 夏 NO → 春または秋
※春と秋を見分けさせる問題はほとんど出題されません。
梅雨かどうか? → 冬かどうか? → 夏かどうか? の順に考えることを覚えておきましょう。
◉台風
もとは熱帯で発生した熱帯低気圧。
そのうち風速が約17m/s以上になったものを台風と呼ぶ。
次の特徴がある。
・等圧線が同心円状に密集していて前線はない。
・進行方向に対して右側(東側)の方が風が強い。
おおよその台風の進路は↓のようになります。
北上していきますが、偏西風によって東へ流されます。
そして小笠原気団を避けながら、北へと通り抜けていきます。
進行方向右側(東側)の方が風が強いことを覚えておきましょう。
・各季節の天気のキーワードを覚えよう。
・冬の天気図は「南北にのびる等圧線」、夏の天気図は「太平洋上の高気圧」が目印。
・天気図を見分ける問題は「梅雨かどうか? → 冬かどうか? → 夏かどうか?」の順に考える。
・台風はもともと熱帯低気圧。
次回は「フェーン現象」です!